研究会の記録‎ > ‎2010年度‎ > ‎

第75回

【日時】2011年1月30日(日)

食糧援助にみる「分配」の論理―ザンビア,エチオピア,アメリカ/国際社会 

松村 圭一郎 (立教大学社会学部) 

【発表要旨】
 アフリカ諸国では、近年、「食料安全保障」への関心の高まりのなか、国連やドナー諸国が主導する大規模な食糧援助体制の構築が進められている。本報告で は、ザンビアとエチオピアの事例をもとに、政府や国連機関による食糧援助において、外部から投入された食糧がナショナル・レベルからローカル・レベルに至 るまでの各段階でどのような論理で「分配」されているのかを考察する。
 現在、世界の食糧援助の大半をアメリカが拠出しており(2008年:全体の51.4%)、その多くがサハラ以南のアフリカ諸国に投入されている (2008年:全体の63.8%)。そこには、農産物の市場価格を維持するために余剰穀物を処分するという政策的な含意もある。本報告では、食糧援助が農 産物の「市場経済」を構築・維持するための装置となっている点をふまえ、アメリカなどのドナー諸国と被援助国であるアフリカとの非市場的なモノの流れが ローカルな「分配」の実践とどのように接合しているのか、国境を越えた所有と分配をめぐる問題として「援助」という現象を考えてみたい。