研究会の記録‎ > ‎2004年度‎ > ‎

第29回

【日時】2004年12月5日

書評会

市場/経済行動/社会関係 

市野沢潤平『ゴーゴーバーの経営人類学』書評を通した学際的対話


▼ディスカッサント
森田敦郎 (東京大学大学院文化人類学研究室博士課程 )
竹中克久 (日本学術振興会特別研究員、奈良女子大所属 )
市野沢潤平 (東京大学大学院文化人類学研究室博士課程 ) ほか



経済と社会の関係について再び関心が高まってきてからすでに久しい。従来の 高度に抽象化された市場概念に加えて、歴史的に形成された個別の取引制度への関心が高まりつつある。進化ゲーム理論や行動経済学といった新しいアプローチ、 経営学の隆盛がフロンティアを拡大し、経済研究は学際的に活況を呈している。

しかしながら90年代以降の人類学において、経済への関心は一般に低調である。特に日本では、近年のアジア諸国を襲った激しい経済変動にもかかわらず、経済人類学への関心は依然として限定されたものに留まっている。こうした中で昨年 出版された市野沢潤平氏による『ゴーゴーバーの経営人類学』は、タイにおける セックスツーリズムというきわめて特異な現象を対象にしつつも、市場における 経済的戦略と社会関係の複雑な関係をビビッドに描き出し、ユニークな理論的考察を加えているという点で注目すべき著作である。

そこで、現代人類学研究会では、本書の潜在的な可能性を評価し、その学際的位置づけをめぐる討論会を企画いたしました。当日は、経営学と社会学の分野から二人の評者を向かえて、著者及び参加者との討論を通して、経済現象に対する 新たな人類学的アプローチの可能性を探ります。

市野沢 潤平