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第26回

【日時】2004年5月29日

「セクシャリティー/性の商品化」特集

『援助交際』女性の自己の構築に関する一考察


仲野由佳理 (東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程 )


【発表要旨】
本研究の目的は、体験者への対話を通し、援助交際体験が自己の構築にどのような影響を与えているのかを考察するものである。

第一章では、様々な研究の中でも詳細な類型化を行った圓田(2001)の調査を検討する。このインタビューの中から、体験者の思いや考え方を読み取る。  第二章では、インタビュー内容を自己物語と捉え考察する。浅野(2001)は、ガーゲンの物語論に「自己の二重性」という新たな視点を加えた。また、自己の変化の兆しを「語りえないもの」から読み取ろうとした。一方で、視点の複雑化や、「語り得ないもの」への着目の問題点などが考えられる。さらに、共同参与の可能性が重要であると考えられる。

第三章では、援助交際体験者であるAさんとの対話を考察する。この中で浮かび上がる他者性に着目しつつ、「お金に関わる」物語と「不満/不安感に関わる」物語を検討する。また、自己物語が潜在的に「失敗」という要素を持つことを指摘する。そして、「語りえないもの」の存在に関して、フェミニスト・セラピーの立場から考察する。



ホステスクラブにおける性的労働の構図ーホストクラブとの対比から


多田良子 (お茶の水女子大学大学院人間文化研究科開発・ジェンダー論コース修士課程 )

【発表要旨】
本研究は、ホステスクラブにおいて何が売買されているのかを論じるものである。まず、日本において90年代に活発に議論された「性の商品化」論争の再検討をし、そこで抜け落ちていた「性的」労働における具体的な労働者と顧客の関係性の分析を、ホステスクラブを事例に行う。また、ホストクラブの分析を加え、比較検討することによって、「性的」労働における男女の非対称性を明らかにする。