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第19回

【日時】2003年9月20日

特集「ブラック・アメリカ」

ダンスにみるドミニカ系アメリカ人の人種アイデンティティ


三吉美加 (東京大学大学院文化人類学研究室博士課程)
 

【発表要旨】
ニューヨークにおいてドミニカ系の人びとはダンス好きとして知られた存在である。しかし、世代別にみると若い人びとが好むダンススタイルや音楽は彼らの親世代のものとは異なっている。なかでも若者のヒップホップへの傾倒は顕著であり、そのことを問題視する親も多い。本発表では、まず現在10代、20代の若者たちのダンス中心の生活を観察しながら、日々のダンスは彼らの民族的・人種的アイデンティティ、親子間の関係にどのような影響をもたらしているのかを考察する。また、発表者はダンスを 通じて集団的および個人的身体が認識されていることを論じる。発表の なかで扱うダンスは主にドミニカ共和国の伝統的ダンス(パロ、ガガなど)とヒップホップとする。

アフロセントリズム再考




中谷基志 (東京大学大学院文化人類学研究室博士課程)


【発表要旨】
アフロセントリズムと呼ばれる、または自己定義する一連の言説が、 主にアメリカ合衆国のアフリカン・アメリカンの間で広まってきた。この一連の言説に対しては、これまでにいくつかの強烈な批判が向けられてきた。 そのひとつはアメリカ主流社会のナショナリスティックな立場からの批判であり、また一つはアフロセントリズムをアフリカン・アメリカンという人種に関する本質 主義的なイデオロギーとみなしての批判である。今回の発表では、このような アフロセントリズム批判に対し、様々な著作・言説の寄せ集めであるアフロ セントリズムが、実際にそのような批判にあてはまるかどうかについて考察する。また、著作としてあらわされている内容と、実際の人々のコミュニティ活動の 内容との間の差異について、発表者の2001-2002年のワシントンDCでの 調査結果に基づき比較考察する。