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第13回

【日時】2003年3月23日

非日常を日常化するために:災害と組織の人類学への試み


木村周平  (東京大学大学院文化人類学研究室修士課程)


【発表要旨】
人にとっても組織にとっても、すべての時間が均一に流れるわけではない―つまり、「日常的」 な領域と、「非日常的」な領域がある(この二つの領域は「確実性/不確実性」や「ルーティン/突発的な出来事」のような語られ方もするだろう)。本発表では、対処の難しい「非日常」の 領域で、組織がどのように活動を組織化しているかということについて、発表者のさしあたっての研究領域である緊急期の災害対応を中心に考察することを目指す。







コメンテーター:池田昭光(東京都立大学大学院社会人類学研究室修士課程)

出産の人類学再考 -出産における選択の場をめぐって-


井家晴子  (東京大学大学院文化人類学研究室修士課程)


【発表要旨】
人はどのようなプロセスを経て出産方法を選ぶのだろうか。本発表の目的は、そのプロセスを見るための枠組みを作る作業に一石を投じることである。これまでの出産研究を概観すると、1.「近代医療」対「伝統医療」、「医療」対「自然」といった二項対立の分析にとどまっており、2.人々の出産方法選択の過程に関しての詳細な分析が欠けており、3.選択基準が社会的なイデオロギーと結びつけられて考えられてきたように思われる。本発表では、出産方法の選択プロセスを詳細に分析してこなかった先行研究を批判し、出産方法の選択の場を分析することの必要性を主張する。事例としては女性の自己決定権が弱いと考えられている発展途上国のひとつである、モロッコ王国の一集落の事例を中心に分析し、緊急時の病院搬送をめぐって女性たちがいかに周囲との関係性のなかで出産のスタイルを選んでいるか分析する。


コメンテーター:斉藤剛(東京都立大学大学院社会人類学研究室博士課程)